DX推進の取り組み

Initiatives to Promote Digital Transformation (DX)

1.代表者メッセージ

昨今の建設業界を取り巻く環境は、時代や社会情勢の変化、人手不足の深刻化などにより年々厳しさを増しています。そのような中、当社は半世紀以上にわたり培ってきた信頼と技術を礎に、地域のインフラ整備を担う企業として、人々の暮らしに欠かせない「命の水」を支え続けてまいりました。一方で、デジタル技術の進化は建設業界にも大きな変革をもたらしており、BIM/CIMやIoTをはじめとする先進技術の活用や、業務プロセス全体のデジタル化が求められています。

当社はこうした変化を成長の機会と捉え、施工管理・工程管理・原価管理・見積請求業務などのデジタル化を推進することで、生産性向上と高品質な施工体制の実現を目指します。また、現場・事務所・協力会社をつなぐ情報基盤を構築し、業務効率化とデータ活用を推進することで、顧客満足度のさらなる向上と企業価値の向上を図ります。さらに、長年培ってきた技術やノウハウ、工事実績を組織の資産としてデータ化・活用し、技術継承と人材育成を推進するとともに、働きやすい職場環境の整備を進めることで、持続可能な組織づくりに取り組みます。

当社はDXを重要な経営戦略として位置付け、業務改革と企業価値の向上を推進するとともに、弊社の根幹である地域の暮らしと社会インフラを支える使命のもと、変化する時代のニーズに応え続けます。そして、受け継がれてきた信頼と技術を次代へつなぎ、「未来の水を創る企業」として持続的な成長と地域社会への貢献を実現してまいります。
 
代表取締役社長 中内 靖修

2.DXビジョン

建設業界では人手不足や技術者の高齢化が進む一方、デジタル技術の進化により、業務効率化や施工品質向上を実現できる環境が整いつつあると認識しております。当社では、こうした変化を重要な経営課題であると同時に成長機会と捉え、50年を超える企業実績の中で蓄積したデータやノウハウを、デジタル技術によって一元管理・可視化し、組織全体で共有・活用することで、施工品質や業務効率の向上を図り、少人数でも安定した施工管理を維持できる体制を目指します。また、地域の建設業界において先進的にDXを推進することで、デジタル活用による業務改革や技術継承を地域へ広げ、顧客や地域社会へ安全・安心なインフラサービスを継続的に提供できる企業を目指します。

3.ビジネスモデルの方向性

公共工事を中心とした設備工事・土木工事・水道工事において、受注から施工、アフターフォローまでの全業務プロセスをデジタル化し、蓄積された施工実績や現場ノウハウをリアルタイムに経営や現場判断に活用できる体制へと転換します。従来の属人的な現場管理から、データに基づく客観的・標準的な管理モデルへと移行することで、品質の安定化と生産性の極大化を両立し、付加価値の高い建設サービスを提供します。また、若手への技術継承が自動的に促進される環境を構築し、持続可能な事業基盤を確立します。

4.DX戦略

・施工管理のデジタル化による業務変革
外部サービスの施工管理アプリを活用し、工程管理、品質管理、安全管理、出来形管理などの現場情報をリアルタイムで共有できる環境を構築します。蓄積された施工データを活用して施工ミスの削減を図るとともに、写真整理や各種帳票作成などの業務を効率化し、業務負担および残業時間の削減を実現します。また、工事実績や原価データ、過去の落札実績などを分析し、地域ごとの工事傾向や市場動向を踏まえた精度の高い積算・提案を行うことで、入札競争力の強化と受注率の向上につなげます。

・BIM/CIM活用による施工品質の向上
BIM/CIMを活用した3次元モデルによる施工計画や完成イメージの可視化を推進します。設計・施工段階における干渉確認や課題抽出を事前に行うことで、手戻りや施工リスクを低減します。また、発注者や協力会社との情報共有を円滑化し、施工品質の向上と顧客満足度の向上を実現します。さらに、設計から施工、維持管理までの情報を一元的に活用することで、より効率的で品質の高い施工体制を構築します。

・ナレッジのデータ化と技術継承プロセスの変革
工事実績、施工ノウハウ、トラブル対応事例などをデータベース化し、組織全体で共有・活用できる環境を整備します。若手社員でも過去の施工事例や技術情報を容易に参照できる仕組みを構築することで、技術継承の効率化と人材育成の高度化を推進します。また、顧客や発注者ごとの工事履歴、設備情報、維持管理ニーズを蓄積・分析し、設備更新時期の提案やライフサイクルコストの縮減、長寿命化に向けた提案に活用します。これにより、単なる施工会社ではなくインフラの維持管理を支えるパートナーとして新たな価値を提供し、顧客満足度の向上、継続受注の拡大および保守・点検業務など新たな事業機会の創出につなげます。

5.DX推進体制

当社では、代表取締役を最高責任者とするDX推進体制を構築し、経営戦略と連動したDX施策を全社的に推進します。DX推進を担う組織として経営者直轄のDX推進室を設置し、施工部門、営業部門、管理部門と連携しながら、データ活用およびデジタル技術の導入・運用を推進します。DX推進室には、業務改善提案やデジタルツールの選定・導入に関する権限を付与し、現場課題の把握から施策立案、運用定着までを一元的に管理します。また、DX推進に関する重要事項は定期的なDX推進会議において協議し、経営層が進捗状況や成果を確認した上で意思決定を行います。これにより、経営層のリーダーシップのもと、迅速かつ継続的にDX戦略を推進できる体制を整備しています。

6.DXに向けた人材育成

当社では、DX戦略を推進するために必要な人材の育成・確保を重要な経営課題と位置付け、全社員のデジタルリテラシー向上に取り組みます。DX関連のeラーニング受講を継続的に実施し、データ活用やデジタル技術に関する知識の習得を推進します。また、情報セキュリティ対策の一環として、標的型攻撃メールやフィッシング詐欺への対応を含むセキュリティ教育を定期的に実施し、安全なデジタル活用を推進します。さらに、DX資格の取得を推奨し受験費用補助や学習支援を行います。継続的な人材育成を推進するとともに、DX推進の中核となる人材の確保・育成を図ります。

7.DXに向けた環境整備

1.施工管理システムおよび情報共有基盤の整備
施工管理クラウドアプリを全社導入し、モバイル端末から現場データを即座にアップロード・一元管理できる環境を整備します。また、現場へのタブレット配備と通信環境の最適化を推進するとともに、これらのデジタルツール活用を促進するための運用ルールを策定します。

2. BIM/CIM活用を支えるデジタル環境の整備
BIM/CIMソフトウェアや3次元データの共有環境を整備し、設計・施工・維持管理に関する情報を円滑に連携できる体制を構築します。あわせて、将来的なデータ活用を見据えたデジタル基盤の整備を進めていきます。

3. ナレッジ共有基盤の構築
工事実績や技術情報、顧客情報などを一元管理できるデータベースやクラウドストレージを整備し、必要な情報を迅速に検索・活用できる環境を構築します。また、継続的な運用と活用を促進するため、情報セキュリティ対策の社内教育など、社員自身の情報リテラシー強化にも努めていきます。


これらの基盤整備およびシステム維持・更新のために、毎年経常利益5%を投資予算として確保し、段階的に導入を推進します。

8.DX戦略の達成指標

当社は、DX戦略の達成状況を測定するため、経営指標(KGI)および業務指標(KPI)を設定し、定期的に進捗を管理します。施工管理のデジタル化では、2030年度までに現場関連書類のデジタル化率90%以上を達成するとともに、書類作成時間および一人当たりの月間平均残業時間を20%削減することを目標とします。BIM/CIMの活用では、対象工事の活用率50%以上を目標とし、工期の10%短縮を目指すほか、施工品質の向上を図ります。また、工事実績や技術ノウハウのデータベース化を推進し、施工情報蓄積率100%を目指すとともに、技術継承と人材育成を強化します。 経営指標としては、2030年度までに受注率を10%向上、営業利益率を3%向上させ、継続受注の拡大と持続的な企業成長の実現を目指します。

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